280.毛布
目蓋の裏側が光を感じ取る
早起きの小鳥の声が耳に届く
体から離れた意識が起きろと言っている
しかし、肌に触れる毛布がまどろみを甘やかすのだ。
元々好きな季節でもある冬は、闇も深く、外も静かで日の出の時刻も遅いので良く眠れるのだ。
しかしどうしたことだろうか。今日に限って体を起こす事すらままならないのだ。
全身を床に預けたまま目を開け、閉じられた障子に目をやる。
温かな光がこの部屋を照らし出していく。
鳥達は相変わらず訪れた朝を喜ぶように囀(さえず)っている。
諦めて目を閉じても再び眠りにつくことは出来なかった。
頭はもうすっかり覚醒しているというのに、
どうして
今日はこうも―――
布団を引っ張り寄せ、頬に触れた毛布に甘ったれるように暫くごろごろと寝返りを打った後、本格的に起きる事を考えた。
朝食の仕度をしよう。昨日残しておいた鮭と、白飯も炊けているだろう。それに今日は布団を干そうと思っていたのだ。縁側と屋根に、梅の花が咲き初めているから花見酒といこうか。酒は昨日あの男が持って来たのを開けよう。
さあ起きるぞ。起きて、まずは朝食の仕度を―――
布団の中に頭まで潜りこみ、十数えた。
大きく一つ伸びをする
と、同時に鼻の奥で拾い上げたあの男のにおいにそれまでの一切が嘘のような勢いで身を起こした。
真っ先に向かった洗面所で洗いすぎて赤くなった顔の自分を見て誓った。
今日は絶対に布団を干そう。そして昼寝しようが何しようが今後一切あの男に毛布を貸さない事にしよう。
それから昼までにあの酒を全て飲んでしまおう。昼過ぎにあの男がやって来る前に―――。
外を見ると冬の陽が辺りを明るく、優しく照らしていた。
スンマセン。K六です。 ・・・・・・スンマセン。
なんかどうにもさもない話なんですがね。あはは
つーかK六寝起き小説2コ目だコレ!(笑)
そして毎年梅が咲くとK六ネタを思いつくようです。春が恋しいんです。冬キライだから。
K六の、かなり初期話ですこれは。第3話くらい。(何ソレ)
これを期に、布団をはじめとしたKKの私物がそこここに置かれて行くんですスンの家に!
いいかげん黙れよって感じなのでこの辺で。
読んで下さってありがとうございました!
05/02/13//
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